コラム

 公開日: 2017-07-10 

包み込む家づくりと開放される家づくり

松井郁夫建築設計事務所さんの古民家ゼミに参加しています。

きっかけは古民家について改めてしっかり学び整理したいと思ったからです。

ゼミは ①座楽 ②実習(実測) ③設計 の3つの構成になっています。①②と終了し、残りは設計ゼミです。

実習で行った実測図をもとに、改修計画を作成し発表しなければなりません。課題は「耐震性と温熱性能を備えた宿泊施設」としての再生計画です。




ブログでは古民家ゼミで学んだこと感じたことを書いてみます。

上の写真は6月に行った古民家再生ゼミで川崎民家園に実測調査の実習の様子です。 調査したのは民家園誕生のきっかけとなった「伊藤家」です。私は左端の黄色の長靴姿のへっぴり腰です。当日は大雨の日、長靴、カッパ、ヘッドライトなどを持参しての参加でした。

外は風と雨が激しいのですが、中にいれば外の様子と打って変わってとても静かです。伊藤家はかやぶき民家で厚い葦の屋根の断熱、遮熱、特に大雨の日であったことで遮音効果を実感することになりました。

かやぶきの屋根は一見軽い屋根と見られますが、このように雨が降ると一転重い屋根になってしまいます。

雨がよしやわらの中に10cmほど浸透しながら排水しているのですが、この浸透した雨が屋根の重量を増す要因になるのです。

ちなみにその重さは瓦屋根より重くなる場合もあるのですが、昔の人はその重量を考えながら骨組みをつくっていったのですね。

雨と言えば「雨落ち」 古民家には現代の家のような雨といがありません。といをつくる素材の問題もあったのですが、その代わりに雨落ちをつくり雨水処理をしていたのです。これも日本人の自然を暮らしに取り込む(たのしむ)知恵にもなっていたのですね。








民家では建て物が建つ地盤を周りより高くして湿気対策や雨水侵入対策をしますが、雨落としはその段差を活かしています。

古民家の雨落ちはいたってシンプルですが、京都などで見かけるものは砂利を切り石や瓦で囲んだ素材や意匠にこだわっていますね。現代建築でも意図的に樋を設けず雨落ちの風流な魅力とともに軒先をきれいにした設計に「いいな」と思います。

それにしても縁側に座って軒先から雨が落ちる様を眺めるのは暑い日本の夏の情緒です。





今回の実測体験でとてもよかったのは古民家の断面を野帳どり(ラフに描いた図に実測寸法を入れていく)する中で古民家の屋根の仕組みが理解できたことです。

屋根は縄で竹や木や萱を結束していきます。これは大工さんの仕事ではありません。郷の人達の結いで完成されていきます。

つまり屋根は大工の仕事ではなかったのです。大工の仕事は梁や桁(柱の上を繋ぐ材)までというわけですね。

こちらの鈴木家の床は竹組部分と板張りとたたみ敷きの3つに分かれていました。竹組の床は縁の下からの通風でとても涼しそう。でも冬にはその上にむしろやわらを敷くのでしょうがこれは寒い。





それにしても古民家は開放的な家づくりの手法ですね。

本題の「包み込む家づくりと開放される家づくり」については次回にさせていただきます。

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