コラム

 公開日: 2013-07-24  最終更新日: 2014-07-18

OBさん宅訪問会・その2 真冬の温度測定結果

前回の続き、全5回シリーズで、OBさん宅でのデータ測定結果をご紹介させていただきます。

このお宅に搭載している「次世代パッシブソーラー・そよ風」のデータは、メモリーで回収して、「そよカルク」なるソフトで解析が出来ます。


昨年の一番寒い時期、1/21から2/20までの一ヶ月間のデータです。



細かすぎて分からないと思います。
とりあえず、外気温が一番寒くなった日、2/3を見てみます。



縦軸は温度です。

グラフはそれぞれ、
赤:屋根(棟)の温度
緑:屋根から採り入れた空気を床下に送るダクト内の空気温度
青:室温(このお宅の場合は納戸)
橙:外気温
黒:そよ風の挙動

を示します。

【1】を見て下さい。
一番寒い日ですが、屋根の温度は50℃になっています。
ガラスを載せればもっと暖かくなるのですが、メンテナンス等の問題でこのお宅はガラス無しです。

この時の外気温は10℃くらいですから、太陽のエネルギーで、屋根は40℃も温度が上がっていることになります。


【2】を見て下さい。
緑の線、つまり、屋根から採り入れた空気を床下に送るダクト内の空気温度は、9時前くらいから急上昇しています。
下の黒い直線が、一段上がっていますので、この時点で、屋根で暖められた空気を床下に送り始めたことが見て取れます。

緑のラインはその後、太陽が沈み、屋根が冷めてくると共に下降し、4時前に空気の採り入れを中止しますが、夜7時過ぎ、再度温度が上がっています。
これは、室内で暖房を付けたためです。


【3】を見て下さい。
オレンジの外気温の線が一番高い時刻(一日の最高気温)は、午後3時半くらい。
でも、室温を計っている納戸(もちろん無暖房室)の温度のピークは、夜中の12時。


【4】を見て下さい。
逆に、オレンジの外気温の線が一番低い、一番寒い時刻は、朝の4時くらいなのに対し、
納戸の室温が一番低いのは、もう外気温が暖まり始めている朝の9時。


【3】と【4】はどういう事でしょう?
これは、住宅が蓄熱能力を発揮できている証です。


建物は、断熱性能を高めると、高まった分だけ、温度変化のラインが上方向(つまり温度が高い側)にスライドします。
熱が逃げにくくなるからです。

この、断熱が高い状態に、さらに【蓄熱性能】が加わると、
・温度変化のラインは、よりなだらかになり、
・同時に右側(つまり時間的に後)に、
スライドします。
これは、建物が、暖まりにくく、冷めにくくなる、ということです。

日中、熱を床下のベタ基礎に貯め、寒くなったらその熱をゆっくり放熱しているのでこうなります。


この結果は、グラフの青いラインを見ていただけると良く分かります。
無暖房室の納戸ですが、一年で一番寒い時期(それでも温暖な静岡なので外気温はマイナス5℃ですが)でも、一日中、14から16℃くらいで安定しています。

なんの暖房もない、無暖房室がこれ位で安定してくれていると、真冬のヒートショックも起きないはずです。

では、反対に夏はどうでしょうか...?
続きます。


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