コラム

 公開日: 2015-05-07  最終更新日: 2015-05-13

アパート経営による節税対策の注意点

ご自宅以外に土地を所有している方で、「アパート経営すれば相続税対策になりますよ!」という決まり文句で、ディベロッパーがお宅に営業してきたことはありませんか?

立地条件の良い土地を所有している方に対して、登記簿謄本で所有者を特定してアパート経営の打診をしているのが、アパート建築業者の営業方法です。

そして、「建築資金が足りなければ〇〇銀行の融資の人間と同行させて頂きますから、資金について心配しなくても大丈夫」とか、「常に入居率100%の家賃を保証しますから安心して下さい」といった営業文句にほだされて、数千万という借入金の負担を負ってアパートを建築してしまう方が割と多いのです。

このアパート経営に係る税法から考えられる節税メリットは、①アパートの敷地の評価額を下げることが出来る、②アパートを建てれば遺産額を下げられる、③借入金は債務として遺産額から控除できるというものです。

確かに税法では、アパートの敷地は「貸家建付地」として評価することになりますので、空き地としておくよりも評価額は下がりますし、建物を建築すれば建物の評価額は現預金を所有しているよりも3割ほど減額します。また、借入金はマイナスの財産として遺産総額を減少させることができますから、間違いではありません。

しかし、メリットしかないアパート経営などというものは存在しません。裏面に当たるデメリットというものも必ずあるはずなのですが、ディベロッパーの営業担当者はデメリットについて説明してくれましたか?

おそらく、営業マニュアルには「お客様の購入意欲を削ぐようなデメリットは口に出してはならない」というような文句が入っていて、メリットだけを殊更強調してくるはずです。

家賃の値下げや、建物の修理・保全、将来の人口推移、若い世代の定着率等、様々な考えられる要因を一つ一つ検証して、ディベロッパーが作成してきた収支計画を修正していく必要があるはずです。

  ・路線価地域にない田畑を宅地の農地転用してまでアパート用地にする必要があるのか?
  ・他に土地の有効利用の方法はないのか?
  ・土地のまま財産を保持するのが良いのか、それとも売却した方が良いのか?
  ・近隣のアパートの築年数、家賃、入居状況はどうなのか?
  ・同じ型式のアパートの経年劣化の状況はどうなのか?
  ・借入金の返済に困らないだけの資金的余裕があるのか?

このように様々なことを考慮に入れて、アパート経営に手を出してください。

アパート経営も立派な経営であり、オーナーは経営者となるわけですから、経営というものを真摯にとらえて貴方自身の経営者としての資質を磨いていくのであれば、決してアパート経営に手を出さない方が良いなどと野暮なことは言いません。

しかし、「歳をとってまでアクセク働きたくはない」とか、「不労所得が得たい」といった理由でアパート経営に手を出そうとしているならば、止めた方が賢明ではないのでしょうか。

軽い気持ちで経営に乗り出して、痛いしっぺ返しを喰らうかもしれないのは、貴方なのです。

--------------------------------------------
   増田哲士税理士事務所
   〒439-0006 菊川市堀之内453-3
        TEL 0537-35-2772
  オフィシャルホームページ
  相続専門Facebookページ
--------------------------------------------

この記事を書いたプロ

増田哲士税理士事務所 [ホームページ]

税理士 増田哲士

静岡県菊川市堀之内453-3 [地図]
TEL:0537-35-2772

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

3

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
セミナー・イベント
相続の広場

第二次大戦後に日本国憲法が改正されたのに伴い、民法が改正される以前には遺言という制度が法律上はありませんでしたが、前回説明したとおり日本に遺言という慣習が無...

 
このプロの紹介記事
増田哲士税理士事務所・増田哲士さん

経営に関する「お金の予防法」で企業存続を支える(1/3)

 先代の創業以来40年近く、静岡県菊川市を中心に中東遠地域の税務業務を手掛ける増田哲士税理士事務所。その代表を務める増田哲士さんは、税理士の使命として「企業経営の支援に必要なのは、節税対策よりも事業を永続的なものにするための対策です」とおっ...

増田哲士プロに相談してみよう!

静岡新聞社 マイベストプロ

次世代に思いを繋げる為の税金に捉われない多角的提案

会社名 : 増田哲士税理士事務所
住所 : 静岡県菊川市堀之内453-3 [地図]
TEL : 0537-35-2772

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0537-35-2772

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

増田哲士(ますだてつし)

増田哲士税理士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
養子縁組に関する相続税節税対策の注意点

当事務所に寄せられた相続に関する相談の一つをご紹介いたします。その相談は、「養子縁組を考えているのです...

[ 相続 対策 ]

生前贈与(暦年贈与の仕組み)
イメージ

贈与税とは、暦年課税方式或いは相続時精算課税方式により、1月1日から12月31日までの1年間に財産を受け取った人...

[ 相続 贈与 ]

土地の評価はどうするの?

税務署から届いた「相続税の申告等についてのご案内」という文書が入った封筒の中の、「相続税の申告のためのチェ...

[ 相続 土地 ]

税務署から相続税の申告についての案内文書が届いた!?

「父親が亡くなって五か月ほど経った頃に、税務署から「相続税の申告等についてのご案内」という文書が入った封筒...

[ 相続税 ]

遺言書があれば争わない?

遺言書があれば、相続人同士が争うことは無いだろうと安直に考えていませんか?実は、ここに大きな落とし穴が...

[ 相続 遺言書 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ