コラム

2015-05-15

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置

この制度も、暦年課税制度の体系の一つであり、税制上において優遇措置が取られているものです。

平成25年から平成27年12月31日までの3年間の特別措置で、教育資金の一括贈与が認められています。一昨年から金融機関が躍起になって営業していましたので、ご存じの方も多いはずです。

制度の概要

この制度では、祖父母が金融機関に子或いは孫名義の口座を開設してもらい、開設した口座に一括で1,500万以内の教育資金を拠出してもらうことが必要になります。

そして、口座から引き出される資金の使途については、金融機関が領収書等をチェックして書類を保管・整理しておく義務があります。そして、孫等が満30歳に到達する日を以て、金融機関は所轄税務署に調書を記載して提出しなければならないことになっています。

もし、口座に残額が残っていれば、受贈者が満30歳になった日に当該残額を贈与したことになり、贈与税が課されることになるというものです。

平成27年の税制改正によって、適用期間が平成31年3月までに延長され、教育資金の範囲に通学定期代や留学渡航費が加えられるなどの拡充がされていますので、これまでよりも使いやすくなっています。

詳しくは、国税庁のホームページをご覧になって下さい。

手続きや申告書については、すべて金融機関を通して行われることになっているので、この制度では、税理士の出る幕はありません。

つまり、贈与者である祖父母と受贈者である孫等、そして資金を管理する金融機関の3者の間に税理士が登場する隙間はありません。

しかし、この制度を利用したならば、相続税の申告や相続対策の相談をしてくれる税理士には、必ず制度を利用している旨を告げておいて下さい。

個人的見解

この制度は、祖父母から孫世代への世代間の資産移転を促すために、教育資金という使途を限った贈与について課税対象としないという制度であり、政府が日本の高度成長期を担ってきた祖父母が所有している潤沢な預金を市場に流通させることで経済活性化を目論んでいることは明白です。

この制度も贈与した金銭の使途が教育資金に限られていますので、遊興費に化けてしまうようなことが無いという点は、安心できるでしょう。

但し、ここでも内孫にだけ教育資金を贈与したり、内孫の中でも長男にだけ教育資金を贈与したような場合は、その孫達が成人して親の相続人として遺産分割の協議をする際には、何十年も前の贈与を引き合いに出して、言い争わないという保証はありません。

特定の子や孫だけを優遇するような贈与は、将来の争いの火種になりかねませんから、注意してこの制度を使うようにして下さい。

これは、贈与した貴方の気持ちの問題ではなくて、受贈された側だけでなく受贈されなかった側の気持ちまでも汲んでやるだけの、貴方の思慮深さの問題なのです。

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