コラム

 公開日: 2015-05-19 

結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度

平成27年の税制改正によって、新たに盛り込まれた贈与の制度が、この「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」です。

この制度も、暦年課税制度の体系の一つであり、税制上において優遇措置が取られているものです。

制度の概要

20歳以上50歳未満の者の結婚・子育て資金の支払に充てるために、その直系尊属が金銭等を拠出して金融機関に信託等をした場合に、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1,000万円(結婚費用は300万円を限度)までは、平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に拠出されるものに限り、贈与税を課さないというものです。

具体的には、次の費用が該当します。
1 結婚に際して支出する婚礼(結婚披露を含む)に要する費用、住居に要する費用及び引越に要する費用のうち一定のもの
2 妊娠に要する費用、出産に要する費用、子の医療費及び子の保育料のうち一定のもの

この制度も、教育資金の贈与と同様に受贈者は、金融機関を経由し受贈者の納税地の所轄税務署長に提出することになりますので、税理士が出る幕はありません。

また、払い出した金銭を結婚・子育て資金の支払に充当したことを証する書類についても、教育資金の贈与と同様に金融機関に提出する必要があります。

そして、次にいずれかに該当した場合には、結婚・子育て資金管理契約は終了することになっています。
① 受贈者が50歳に達した場合
② 受贈者が死亡した場合
③ 信託財産等の価額が零となった場合において終了の合意があったとき

なお、上記事由により、結婚・子育て資金管理契約が終了した場合、残額があるときは、上記事由の該当日に当該残額の贈与があったものとして受贈者に贈与税を課税することになっています。

更に詳しい内容は、 国税庁のホームページ をご覧になって下さい。

この制度は、教育資金贈与の2番煎じではありますので、その取扱い方法は教育資金同様に注意して貰えば良いと思います。

結婚・子育て資金の一括贈与に関する個人的見解

この制度で個人的に問題だと思うのが、受贈者が50歳に達した時という終了要件です。

現在の日本における晩婚化は、とどまることを知りません。従って、初婚が50歳を超えてしまう場合も少なくないはずなのに、どうして50歳という年齢制限を設けてしまったのでしょうか?

確かに、50歳を過ぎれば親は70歳を超えているか、80歳の大台に乗っている方が殆どですから、その辺りが線引きの目安だったということなのでしょうか?

この制度を創設したことによって、晩婚化を食い止めたいという政府の目論見でもあるのでしょうか?

いずれにしろ、今年の4月から平成31年3月までの4年間で贈与の幅が増えたのですから、該当する方は検討しても良いかもしれませんね。

要は、あらゆる手を使ってお歳を召した方が所有している財産をターゲットにして、蓄えている財産を流通させようとしている、政府が用意してくれた舟(泥舟なのかそれとも木の舟なのかは判りません)に、乗るのか・乗らないかというだけです。

その判断は、ご自身で行う以外ありませんので、十分に検討を重ねて下さい。

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