コラム

2015-05-21

相続対策の順序

相続の為の対策をお考えの方は、真っ先にお金のことを考えがちですが、節税のための対策は優先すべき対策ではないことを何度も申し上げてきました。

それでは、どのような対策を取るべきなのでしょうか?

私以外の弁護士や司法書士等の専門家のホームページを見て頂いても、「争いとならない円満な相続が大切です」と言っている方が多いのが判ると思います。

昔からの諺(ことわざ)で、「血で血を洗う」とか「骨肉相食む(こつにくはいはむ)」という言葉がありますが、血を分けた兄弟等の血縁関係のある者同士が争うと、他人同士よりも更に悪い状況に陥り泥沼化して長期化することもありますので、争わない為の手立てを取っておくことは大切なことであることは間違いありません。

しかし当事務所では、争いの種を事前に摘み取るための「争族対策」の前に、財産の所有者であるご本人が老後を安心して生活できるような「生存対策」こそ、最初に講じるべき対策だと考えています。

このようなことを発信しているサイトは少ないと思いますが、ご自身が積み上げてきた財産を生前に贈与してしまい、その後の生活に支障が出るようならば贈与はしない方が良いはずです。

子供や孫への贈与と言うのは、財産所有者である貴方がお亡くなりになるまでの必要な資金を見積もった上で、あの世に持っていけない財産がある場合に、初めて成り立つものです。

子供達が老後の生活の一切を保証してくれるのであれば、贈与するのも良いかもしれませんが、今の世の中で十年・二十年先に子供達が安定的な収入を得られる可能性がどれだけあるのかを良く吟味して下さい。

年金収入は毎年減額され、消費税率はアップし、政府が推し進めている成長戦略によってインフレが起きてくれば、年金等の決まった収入しかない子供達の財布の紐が「キュッ」と絞られて、老親の生活を保障できるだけの金銭的余裕が見込めないかもしれませんよ。

毎年の生活費や医療費等の必要経費を算出して、ご自身があの世に召されても悔いは無いという年齢までの年数を設定した上で、必要な資金はご自身の手許に置いておく方が良いのではないかと思います。

現代の医療技術は日進月歩の凄まじい進歩を遂げていますので、あと何年・何歳まで生きるかなんて判りませんが、生あるものは必ず朽ちていく運命にあるのですから、仮に100歳まで生きると仮定して計算してみては如何でしょうか?

最初に「生存対策」によってご自身の老後を安心して暮らすための手立てを行って頂き、次に「争族対策」によって血縁関係のある方への配慮を行ってください。

そこまで対策が出来ていれば、最後に「節税対策」・「納税資金対策」等の対策を行った上で相続税を納めて下さい。

相続税の仕組みは後日説明しますが、平成27年の相続税法改正によって新たに納税義務が生じることになる相続人であれば、多くの方が毎年のように年末調整や確定申告によって払っている所得税・市民税よりも低い実行税率となってくるはずなのです。

あまり、神経過敏になって税金対策ばかりに目を向けないことこそ、長生きできる対策だと思うのですが・・・・

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