コラム

2015-05-25

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、平成15年の税制改正によって導入された制度で、導入されてから早や10年が経過しています。

この制度は、親子間での生前贈与を円滑に進めることを目的に導入されました。

財産の種類を問わず贈与額の非課税枠の上限は、最高2,500万円(住宅取得資金の贈与は3,500万円)となっており、上限枠を超えた部分については一律20%の贈与税がかかる仕組みになっています。

但し、その後に相続が発生した場合には、相続時精算課税制度によって取得した財産は、贈与した時の価額で相続財産に取り込んで、相続税の税額計算を行うこととなっています。

この制度も平成27年1月1日より変更されており、各種要件が緩和されています。

これまでは、贈与する側(相続時精算課税制度を利用して贈与する方を「特定贈与者」と呼びます)は、贈与した年の1月1日において年齢が65歳以上であることが要件として掲げてありました。

これが60歳以上にまで引き下げられましたので、相続時精算課税制度を利用できる対象が広げられました。

もう一つの改正が、受贈者(相続時精算課税制度を利用して受贈する方を「特定受贈者」と呼びます)の要件を、これまでの20歳以上の子である推定相続人に、20歳以上の孫を加えたことです。

相続時精算課税制度の利用について

相続時精算課税という制度を、多くの方が利用済みの方がいらっしゃると思われますが、制度を利用した方は、平成26年12月31日までの相続税制度がそのまま運用されるという前提で利用されたのではないのでしょうか?

例えば、推定相続人が4人いれば、平成26年までの相続税の非課税枠は5,000万+1,000万×4人で9,000万と計算されましたが、平成27年以降は3,000万+600万×4人で計算されますので5,400万に引き下げられました。

推定相続人が4人で所有財産額が8,000万だから、相続税は納税する必要が無いという計算を行った後に、「いずれ子供達に財産を渡すのだから」という理由で相続時精算課税制度枠の2,500万を使って子供の住宅取得資金として贈与した場合を考えてみましょう。

相続時精算課税制度は、贈与した時の価格を相続時の財産額に加えますから、今回の改正により相続税の非課税額が引き下げられ、8,000万-5,400万で計算された2,600万に税率(最低が10%)を掛け合わせますから、260万の納税が必要になります。

このように、当初の目論見が崩れて相続税の納付が必要になってしまってくる場合もあるのです。

ここで大切なのが、一度相続時精算課税制度を使うと、同じ贈与者からの受贈については暦年課税の贈与は出来ないことです。

暦年課税の贈与を繰り返した後に、相続時精算課税制度の贈与を行うことは可能なのですが、相続時精算課税制度の贈与を行ったら暦年課税の贈与は出来なくなってしまいますから、贈与の順序というのが非常に大切になってきます。

更に、この方のように2,500万という限度枠いっぱいを使ってしまうと、その後の贈与は一律20%の贈与税を納税しなければならいということをお忘れなく。

皆さんはお気づきかもしれませんが、相続時精算課税制度を使った方が有利な財産、不利な財産というものがありますので、この制度を使う時には注意が必要です。

節税目的で相続時精算課税制度を使うのであれば、贈与する財産に着目しなければいけないのです。

次回は、この相続時精算課税制度に適した財産というものにスポットを当てたいと思います。

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