コラム

2015-06-09

相続税申告の必要性

先日、今年初めて所得税の申告の依頼を受けた方から、親が亡くなったので相続税の申告をお願いしたいという連絡を受け、お会いして話をさせていただきました。

相続税申告に必要な資料としてどのようなものを用意すれば良いのかというお問い合わせだったので、お亡くなりになった親の財産について確認を取ったのですが、少なくともお話をさせて頂いた限りにおいて、相続税の申告の必要は無いと思われました。

この方は、相続時精算課税制度を利用して生前に贈与を行っていたのですが、贈与額は2,500万以内であり、贈与税の納付も行っていませんでしたが、この相続時精算課税を使った贈与額に、お亡くなりになった時の財産額を加えた金額が、相続税の非課税枠内であると判断されたのです。

相続時精算課税制度を利用した際に贈与税を納付しているのであれば、相続税の申告を行わない限り、一度納付した贈与税の還付を受けることは出来ませんので、たとえ非課税枠内であっても申告する必要が出てきます。

しかし、税金の還付を受ける必要がなければ相続税の申告は必要ないので、この方には「相続税の申告義務が生じる可能性は低いと思いますが、不安であれば資料をお持ち下されば結構です」とお話させて頂きました。

また、財産所有者がお亡くなりになってから半年を経過したあたりで、税務署から「相続についてのお尋ね」という文書を発送してきますので、その文書が届いたところで、必要書類を持って来て貰えば、申告が必要ならば申告手続きを取りますし、申告が必要なければ、税務署から届いた「相続についてのお尋ね」という文書を持って来て頂ければ、こちらで記入して送り返しますということを言い添えておきました。

当事務所としてみれば、相続税の申告義務のある・なしに拘わらずに財産評価を行えば相応の報酬をご請求できるのですが、自分が相手の立場であれば、支払わなければいけない金額が少ないのに越したことはないはずですので、30分ほどの相談料も頂かずにそのままお帰り頂いた次第です。

相続税の必要が無ければ、不動産等の登記事務や各種名義変更が必要となりますので、いつもお世話になっている司法書士を紹介してやりました。

相続税の申告割合

相続税という税金は、所得税のように働いている人のほぼ全員に関係する税金ではありません。

平成25年中にお亡くなりになった方は全部で126万8千人ですが、相続税の申告件数は5万4千件と、割合にして4%弱なのです。

今年、相続税の非課税限度枠が引き下げられたとは云え、相続税の申告件数は、たとえ増えたとしてもお亡くなりになった方の1割以下と考えられますから、大半の方は相続税の納付とは無縁のはずなのです。

遺していく配偶者や子供達に、相続税納付の必要があるか・ないかが判断できれば、次の手が打てますので、生存中に税金納付の必要の有無だけでも確認しておくと良いかもしれませんね。

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