コラム

 公開日: 2015-06-11 

成年後見制度の概要

成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度という2つの種類があります。

事後的に利用できるのが法定後見制度であり、事前に利用することを契約で結んでおくのが任意後見制度だと覚えて貰えば結構です。

今回は、既に相続が開始しており事後的に後見制度を利用せざるを得ないという事態を想定して、法定後見制度について説明させて頂きます。

法定後見制度とは

法定後見制度では、家庭裁判所が認めた成年後見人等が、本人の利益を考えて代理で契約等の法律行為を行い、本人自らが行う法律行為に同意を与えたり、本人が後見人等の同意を得ないで行った不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって本人の保護・支援を行います。

ここで、成年後見人の後ろに「等」という一文字が付いているのに気付いて頂けたでしょうか?

実は、成年後見制度では、後見・保佐・補助の3つの段階を設けており、判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選び、各段階において保護・支援をする人を「後見人」「保佐人」「補助人」と呼んでおり、まとめて成年相続人等とひとくくりにしているのです。

例えば父親が亡くなり、相続人として配偶者と子供3人がおり、配偶者が被成年後見人(事理弁識能力が無いと認められる方)であった場合、誰かが成年後見制度によって成年後見人等になる必要が生じます。

この場合に、相続人である子供が成年後見人になることは出来るのでしょうか?

利益相反行為

相続人である子供が、母親の成年後見人として遺産分割協議をするようなことになれば、自分に有利な遺産分割協議を行うことが出来るようになってしまい、母親の利益に相反するような法律行為が出来てしまいます。

このように、「あっち立てればこっち立たず」という立場に置かれることを『利益相反』と呼び、利益相反関係にある成年後見人は本人の代理権がなくなりますので、法的に有効な遺産分割協議をすることが出来ないのです。

このような場合、母親の権利・利益を守るため、たとえ事前に任意成年後見制度によって後見人となっていた子供が居たとしても、その子供とは別に「特別代理人」を選任する必要が出てきます。

特別代理人は、家庭裁判所で審判によって相続人以外の利害関係を有さない人(裁判所に登録してある弁護士・司法書士・税理士等の職業専門家が就任する場合が多いようです)が選任され、特別代理人は母親の利益を保護するための職務遂行義務を負うことになります。

成年後見人と特別代人の2人を選任するような二重の手間にならないように、相続が発生する以前から、弁護士や司法書士・税理士等の職業後見人を成年後見人としておく事例も徐々に増えてきているのが事実です。

詳しくは、下記の法務省・民事局が作成している下記のパンフレットをご覧ください。
成年後見制度・成年後見登記

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