コラム

2015-06-23

団体信用生命保険付の金融機関からの住宅ローンについて

金融機関で住宅ローンを組む際に、多くの方が「団体信用生命保険」(略して「団信」と呼ばれています)に加入すると思います。

この団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済途中で債務者が死亡してしまった場合や、高度障害になってしまった場合に、本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高を支払うというものです。

実は、民間金融機関の多くが、この団信の加入を住宅ローン借入れの条件としているのです。

団信に加入した上で住宅ローンを借り入れるのですが、団体信用生命保険の保険料は金利に織り込まれていますので、別途保険料は発生することはありません。

なお、健康上の理由で通常の団信に加入できない場合には、生命保険の引受け基準が拡大された「ワイド団信」に加入できるケースも残されていますので、金利が0.2~0.3%程度高くなりますが、健康に不安を感じている方は金融機関に相談をしてみて下さい。

生命保険の受取人は?

一般的に生命保険に加入する際には、「契約形態」つまり「契約者」・「被保険者」・「受取人」の関係がとても重要となってきます。

死亡保険金の契約形態によっては、受取人が受け取った保険金について掛かってくる税金の種類(所得税、贈与税、相続税)が異なってきます。

団信保険では契約者と受取人は、ローン契約者である個人ではなく、金融機関となりますので、確定申告時の生命保険料控除の対象とはなりません。

なぜ相続時の債務とならないのか

このように、金融機関が自社に住宅ローンを申し込んだ利用者をまとめて生命保険会社と契約することから、「団体信用生命保険」と呼ばれているのです。

受取人が金融機関であり、住宅ローン返済中に債務者が死亡したり高度障害になってしまった場合には、金融機関は生命保険会社から支払われる生命保険金をローン残高に充当することが出来るために相続時には負債とはならないのです。

ローンがあるから相続税は掛からない?

例えば、相続人が2人(配偶者と子供1人)いらっしゃる方が3,000万の住宅ローンを組んで居宅を新築した方で、相続時のプラスの財産が次のとおりあった方を設例として考えてみましょう。
   居宅の底地  2,000万
   家     屋  2,500万
   現 金 預 金  2,000万
   合    計  6,500万

債務者が住宅ローン返済中に死亡したり高度障害にならなければ、次のとおり計算できます。
  3,500万(遺産総額) = 6,500万(財産)-3,000万(債務)
  4,200万(基礎控除額)= 3,000万 + 600万×2人    
  3,500万(遺産総額)< 4,200万(基礎控除額)のため、相続税納付の必要なし

しかし、債務者が住宅ローン返済中に死亡したり高度障害になってしまったならば、次のとおり相続税の申告が必要になってきます。
(※この試算では、小規模宅地と言われる相続税法上の規定を考慮していませんので、この規定を使えば税額はこの試算よりも低くなります。)
  6,500万(遺産総額) = 6,500万(財産)-  0万(債務)
  4,200万(基礎控除額)= 3,000万 + 600万×2人    
  2,300万(課税対象額)= 6,500万(遺産総額)- 4,200万(基礎控除額)
 税金計算
  122.5万(1人当り税額)=2,300万×1/2×15%(3,000万以下1,000万以上の税率)-50万
  245万(相続人2人で納税する総額)= 122.5万 × 2人 

住宅ローンがあるから相続税は必要ないなどと安易に考えないで、もし団信保険によって住宅ローンの返済が必要なくなったらというシミュレーションもしておいて下さい。

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