コラム

 公開日: 2015-06-24 

相続の債務ではないものの相続税の計算上控除できるもの

民法上は、プラス要素としての遺産と、マイナス要素としての債務を併せて相続することになっています。

そして、マイナス要素としての債務として、公租公課(所得税・固定資産税等の税金)、借入金、未払金等があることは既に前回までのコラムで理解頂いているはずです。

そこで今回は、税務上に限って遺産額から控除することが出来る葬儀関係の費用について説明します。

葬儀関係の費用の取扱い

葬儀に係る費用については、民法における家族法の規定では何も明記されてはいません。従って、民事上のマイナス要素としての債務ではないのですが、税務上は遺産額から控除することが出来るとしているのです。

本来であれば、葬儀関係の費用は死亡後に発生する費用ですから、被相続人の死亡時に負担すべき債務にはないというのが、民法上で触れていない理由です。

しかし、税法ではお亡くなりになった人を弔うという「葬儀」は、日本では古(いにしえ)からのしきたりとして定着しており、死亡という悲しい事態の後で必ず発生する費用であるため、特別に控除できるように制度設計されていると考えられます。

葬儀関係費用の振り分け

葬儀関係費用の中には、遺産額から控除出来るものと、出来ないものがありますので葬儀関係の請求書・領収書を次のように分類してみて下さい。

   控除出来るもの
      お通夜の費用
      告別式の費用
      枕経料・戒名料
      埋葬・火葬・納骨の費用
      遺骸・遺骨の回送その他の費用
      死体の捜索・運搬の費用

   控除出来ないもの
      香典返戻費用
      法要(初七日、四十九日など)にかかる費用
      墓碑、墓所、仏壇などの購入費
      医学上、裁判上の特別費用(死体の解剖費用など)

控除の可否の判断理由

相続税の申告書を相続人の方にお渡しする際には、これらの控除出来る・出来ないという中身についても説明するのですが、皆さんが不思議に思われるのが、どうして香典返戻費用や法要にかかる費用が控除できないのかという点です。

これらが、控除出来ない理由は法律には記載されていませんので判然としませんが、立法の趣旨から推察すれば、個人的には次のように考えています。

被相続人の死亡時の負債ではないものを税法上で認めているのだから、葬儀・埋葬のような被相続人の死亡と直接的に関連性があるものは認めても良いと考えているのでしょう。

しかし、香典返戻費用は喪主の判断によって異なる可能性があり、法要については仏式・神式等によって異なってくる事も考えられるため、被相続人の死亡によって必要とされる費用として直接的な関連は無いと考えて、税法上の温情を与える必要はないと考えているのではないかと推察出来ませんか?

これはあくまでも私見ですので、立法上の経緯等を調べればしっかりとした理由づけがされているかもしれませんので、鵜呑みにはしないで下さいね。

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