コラム

2015-07-08

ギリシャのサムライ債

7月5日に行われたギリシャでの国民投票では、即日開票の結果、EU(欧州連合)などが求める財政再建策受け入れに対する反対が61.31%と賛成の38.69%を大きく上回りました。

今回の国民投票に対して、これからEU側がもし態度を硬化させるようなことになれば、ギリシャの財政破綻が現実化する恐れもあり、ギリシャのユーロ圏離脱やEU脱退に至る懸念といった事態にまで発展する可能性も出てきました。

7月7日にブリュッセルで始まったユーロ圏財務相会議では、ギリシャ側が新たに提示する財政再建案を協議することになりますが、ギリシャは債務元本の3割削減を要求するのではないかという報道がありました。

これからのEUとギリシャの駆け引き如何によっては、日本でギリシャ国債を有している方にも大きな影響が出て来そうです。

サムライ債

円建てで資金調達されたギリシャ国債には、海外で発行されたユーロ円債と、日本で発行されたサムライ債(円建て外債)とがありますが、個人でこのサムライ債を所有されている方はどれだけいるのでしょうか?

サムライ債は、今から20年前の1995年から1997年の間に発行されましたが、今回焦げ付きの可能性があるのは、発行された約2,500億円の国債のうち、2012年のギリシャ危機時に債権カットされた分や償還分を除いた、約1,500億円となっています。

その1,500億円の内、1週間後の7月14日に償還予定のサムライ債は116億円で、日本国内の機関投資家を中心に保有されているようですが、もちろん個人で所有されている方もいるはずです。

ギリシャは6月末に期限を迎えたIMFへの債務返済が滞ったため、IMFは同国を「延滞国」と認定しましたが、今後の交渉次第ではデフォルト(債務不履行)になることも懸念されます。

過去のサムライ債のデフォルト

サムライ債として円建て国債を発行していたアルゼンチンがデフォルトに陥り、日本国内の投資家が大打撃を受けたのは今から14年前の2001年でした。

証券会社を通して金利が良いサムライ債を勧められ、利回りが良いといってニコニコ顔でいたところに、元本全額が紙屑になってしまったという経験をされた方も多いはずです。

その後、アルゼンチンほどの規模ではなかったものの、エクアドルとアイスランドが2008年にデフォルトに陥りました。

ギリシャはアルゼンチンやエクアドルといった国よりも、多くの国債を発行していますので、世界の金融に与える影響が大きいですし、もし、ギリシャがデフォルトに陥るようであれば、スペインやイタリヤといった債務を抱え込んでいるEU加盟国に与える影響も大きいはずです。

個人の感情としては、国として借りておいて、国民が質素倹約せずに、借りた金額を削減して欲しいといった居直りの態度に出ることは許せませんが、EUという国境を取り払った連合体という立場から大局的に考えれば、難しい判断をしなければならないのでしょう。

サムライ債の評価

ところで、相続税法上では、公社債(国債・地方債・社債)を評価するのに、(1)利付公社債、(2)割引発行の公社債、(3)元利均等償還が行われる公社債、(4)転換社債型新株予約権付社債という区分に従って評価することになります。

おそらく、ギリシャ国債は(1)利付公社債に相当すると考えられますが、金融商品取引所に上場されている利付公社債であれば、次のとおり計算することになります。

    (金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格)+(既経過利息)

もちろん、デフォルトになったら市場価値はゼロとなり、利息も貰えることは無くなりますから、評価額はゼロになってしまいます。

さて、どうなってしまうのでしょうか?

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