コラム

2015-07-15

農事組合法人

農業経営者が農業生産の為に法人を立ち上げる場合には、株式会社以外にも幾つかの法人形態が考えられます。

株式会社は、1株当たりの1つの議決権が付されていますので、株式数を過半数或いは3/4以上所有している方が会社の運営を取り仕切ることが出来ます。

しかし、地域に根差した昔ながらの邨社会が維持されている地域では、横のつながりを大切にするため、株式会社のような縦社会は馴染まないということもあって、専門農協のような「1人1票制」の組合組織が受け入れられてきたのでしょう。

農事組合法人という組織

専門農協を構成するメンバーが15人を割り込んでしまいそうで、これから先も事業を継続していきたいのであれば、新たに法人を設立する必要性が出てきますが、その法人形態として考えられるのが「農事組合法人」です。

農事組合法人は、農業協同組合法で規定されている法人であるため、「1人1票制」という運営形態となりますが、専門農協のように15人もの構成員を必要としません。

構成員が3人居れば、法人を立ち上げることが出来ますし、これまでの専門農協と大きな違いはありませんので、若手農業経営者だけで法人を設立し、専門農協を解散した際の受け皿として機能させることも可能です。

農事組合法人は、その後株式会社等への組織変更も出来ますので、これまでの「1人1票制」を維持しつつ、これからの時代に合った組織形態を模索していく間の繋ぎの法人として設立しておくという使い方もあります。

個人としての農業所得を維持したい

通常、組織の役員に対する報酬というのは法人からの給与に当たるのですが、農事組合法人の場合には農業所得として確定申告することも可能となります。

つまり、法人という組織に加入しているものの、農業に従事して得られる収入を、これまで通り農業所得として申告できるのですから、法人化という新たな取り組みに踏み出せない方にとっては、背中を押してくれる仕組みが出来ているのです。

この場合、法人は「従事分量配当」という形で支払いをするのですが、法人では従事分量配当を支払う際には、消費税を加算して支払いますので、法人側の消費税の負担額が減ることになります。

給与所得を受けたい場合

これとは反対に、法人からの給与を受けて「サラリーマン農家」になることも可能です。

農事組合法人は、給与支払制にするのか、従事分量配当制にするのか選択することが出来ますので、役員の意に沿った運用ができるのです。

但し、ある人は給与制、他の人は従事分量制といった取扱いは出来ませんので、注意して下さい。
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