会社の生き残り対策&争いのない相続対策のプロ
コラム
公開日: 2015-07-17
配偶者名義の預金
昨日、4月にお亡くなりになられた方の準確定申告に必要な資料を頂きに行った時に、「主人名義の財産はそれほど多くないから、相続税は問題ない」とおっしゃっていたので、こちらも相続税の申告の必要はないものだと最初は思っていました。
そこで、不動産の登記と預金口座の名義変更の手続きだけを進めるために、遺産分割協議書の作成から不動産の登記まで司法書士に依頼することを念頭に入れて話をしていました。
配偶者名義の預金が!
そこで、次回準確定申告書をお渡しする際に、それらの財産に関する資料を準備していただくようにお願いしてきたのですが、奥さん名義の預金の方がご主人の預金よりも多いという話を聞き、当初の相続税の申告が必要ないという前提が危うくなってきました。
よくよく聞いてみると、奥さんは働きに出たことが無く、結婚してから専業主婦を年十年とやってきたということでしたので、その奥さんがご主人の預金よりも多くの預金を所持しているというのは、贈与を受けたか、ご主人の預金を奥さん名義に変更しただけの名義預金ではないかという疑問が沸いてきました。
贈与税の申告をしたことはなく、ご主人の預金通帳に使っている印鑑も、奥さんの預金通帳に使っている預金通帳の印鑑も同一の物を使用しており、奥さん名義の預金は二人で一緒に金融機関に行ってご主人の口座から引き出して口座開設してきたものだということが判りました。
これは、明らかにご主人の財産を妻名義にしただけで、相続税法上は名義預金として財産に取り込まなければならないものであることと判断出来たのです。
遺産分割は2次相続も考えて
土地・建物等の固定資産をざっと見積もってみると、相続税の申告義務が生じる遺産額になりそうなことが判明しましたので、財産の拾い出し作業を8月以降に行うことになりました。
遺産額を確定させ、今回の相続税だけでなく2次相続と言われる奥さんがお亡くなりになった時の相続税をも考慮した遺産分割案を提示して、相続人全員で話し合いを持ってもらってから、登記等の手続きを進めることになります。
配偶者が全ての財産を取得すれば、1億6千万までは相続税の納付をする必要がありませんが、次に遺産を取得した配偶者がお亡くなりになれば、確実に相続人が1名減るわけですから相続税額は最初の税額よりも増えます。
従って、当事務所では財産を分割した時のシミュレーションを幾つか提示して、相続人全員で協議してもらって遺産分割協議書に落とし込んでいくことにしています。
今年は、久しぶりに相続税の案件を複数掛け持ちしているので、これから本格的作業に取り組んでいく予定です。
--------------------------------------------
増田哲士税理士事務所
〒439-0006 菊川市堀之内453-3
TEL 0537-35-2772
オフィシャルホームページ
相続専門Facebookページ
--------------------------------------------
こちらの関連するコラムもお読みください。
- 相続の債務ではないものの相続税の計算上控除できるもの2015-06-24
- 相続事案着手2015-05-30
- 税務署から相続税の申告についての案内文書が届いた!?2016-07-27
- 相続税法上の債務としての公租公課2015-06-21
- 団体信用生命保険付の金融機関からの住宅ローンについて2015-06-23
最近投稿されたコラムを読む
- 土地の評価はどうするの? 2016-07-28
- 税務署から相続税の申告についての案内文書が届いた!? 2016-07-27
- 遺言書があれば争わない? 2015-08-04
- 公正証書遺言 2015-08-03
- 秘密証書遺言書 2015-07-31
このプロの紹介記事

先代の創業以来40年近く、静岡県菊川市を中心に中東遠地域の税務業務を手掛ける増田哲士税理士事務所。その代表を務める増田哲士さんは、税理士の使命として「企業経営の支援に必要なのは、節税対策よりも事業を永続的なものにするための対策です」とおっ...
プロのおすすめコラム
› 新着記事一覧
養子縁組に関する相続税節税対策の注意点
当事務所に寄せられた相続に関する相談の一つをご紹介いたします。その相談は、「養子縁組を考えているのです...
アパート経営による節税対策の注意点
ご自宅以外に土地を所有している方で、「アパート経営すれば相続税対策になりますよ!」という決まり文句で、ディ...
土地の評価はどうするの?
税務署から届いた「相続税の申告等についてのご案内」という文書が入った封筒の中の、「相続税の申告のためのチェ...
税務署から相続税の申告についての案内文書が届いた!?
「父親が亡くなって五か月ほど経った頃に、税務署から「相続税の申告等についてのご案内」という文書が入った封筒...
人気のコラムTOP5
-
- 1位
- 準確定申告の不動産所得の留意点 3よかった
-
- 2位
- 生前贈与(暦年贈与の仕組み) 3よかった
-
- 3位
- アパート経営による節税対策の注意点 3よかった
-
- 4位
- 税務署から相続税の申告についての案内文書が届いた!? 2よかった
-
- 5位
- 遺産分割協議書の数 2よかった
コラムのテーマ一覧
すべて表示するスマホで見る
このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。
バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。