コラム

2015-07-20

遺産分割を放置しておくと

相続税の申告義務がないからといって、遺産分割協議書を作成せず法務局に不動産の登記をしていなかったらどうなるのでしょうか?

固定資産税の取扱い

市役所等では、たとえ財産の所有者がお亡くなりになっても、固定資産税の徴収ができるように、次のような措置を取っています。

①死亡された年の固定資産税
⇒固定資産税の納税義務者は死亡された方ですが、その相続人が納税義務を承継します。
つまり、死亡された方に係る固定資産税の納付を相続人にお願いすることになります。
②死亡された年の翌年以降の固定資産税
⇒相続登記が完了するまでは、その相続人全員が納税義務者となります。
つまり、納税通知書の名義は相続人の連名になります。

このように、相続に伴う登記をしなくても大きな問題は生じないから、登記しないままになっているという方はいらっしゃいませんか?

土地の売買時には

このように、相続登記していない土地は、相続人全員が共有している状態となっていますので、もし土地を売りたいとか、道路の拡幅工事で土地が収用されるといった場合には、相続人全員が契約書に署名捺印しなければならない状況になります。

また、遠方に住んでいる方や音信不通の相続人が居たならば、売買の契約すらままならない状態に陥ってしまう可能性があるのです。

しかし、これは相続人の世代だけの問題ですから、遺産分割の登記を怠った相続人全員に責任があるわけですから、自業自得というほかありません。

数次相続があった時

数次相続とは、被相続人の遺産分割を相続人全員で協議を行い、協議書を作成する前に相続人の内の1人が死亡してしまった場合、最初の相続人としての地位を、お亡くなりになった相続人の法定相続人が引き継ぐことを言います。

最初の相続を1次と呼びますので、遅くとも2次相続で遺産分割を済ませるべきなのですが、ごく稀に3次まで引き延ばされている場合があります。

このような数次相続で最も困ってしまうのが、相続人の確定作業です。

例えば、最初の相続時には子供である相続人が5人居たとすれば、その子供達が全員結婚して3人の子供を育て、その子供達も成人して子供が居た場合を考えてみましょう。

最初の相続に分割協議を整え相続登記を行っていれば、配偶者が居なければ5人が署名捺印すれば協議書が整ったはずなのです。

しかし、最初の相続人である子供が同時期にお亡くなりになって、2次相続が発生したならば、5×3で15人の直系卑属と、最初の5人の相続人の配偶者5人の計20人が遺産分割協議に参加し、署名捺印しなければならなくなってしまうのです。

3次相続ともなれば、見たことも会ったことも殆どないような人達と分割協議をしなければならなくなり、人数は数十人に達してしまうかもしれないのです。

次世代に、このような煩雑な手続きを遺さないように、確実に自分達の世代でやるべき登記は済ませておきましょう。

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