相続の広場

日本の遺言の歴史

日本史を紐解くと、西暦757年つまり今から1,300年前の奈良時代に制定された「養老律令」の中の第八 戸令 23 応分条に遺言の制度が書き込まれたのが始まりと言われています。

この文章のどの部分が遺言になるかというと、原文の最後の文章に「亡人在日処分 證拠灼然者 不用此令」と規定されている部分となります。この部分の現代語訳は、「被相続人が存命中に行った処分の証拠が瞭然な場合にはこの令は用いない」となり、「存命中に行った処分の証拠」こそが「遺言」のことを指していると考えられています。

この時代の遺言の制度というのは、故人が所有していた土地・金銭等の財産を、近隣の人たちで調べて、財産を寺社に納めるというものだったようです。

しかし、平安・鎌倉の時代を経ると、生前に「処分状」を作って財産分けをするのが普通となり、次第に遺言によって遺産分割することはなくなっていきました。

江戸時代になり、武士は私領を所有することが許されなくなり、恩給としての封地を給されるようになることで、私的な財産のみ遺言することもあったようです。

しかし、庶民に関しては家訓等の訓えを記した遺言が相続のスタンダードとなって、自筆で遺言書を書いて捺印し、領主の命令により組織された隣保制度としての五人組などがそこに加判し、その遺言書を町内に寄託したということです。

江戸時代の遺言については、PHP研究所で出版している山本七平氏の「近代の創造」の第9章:『「徳川民法」の勘当・相続・養子』の部分をお読み頂ければ、この辺りの説明が詳しく出ています。

この山本氏の本を読んでいくと、江戸時代には「家督相続」は実態として無かったという記述もありますので、歴史上の真実はどうなっているのだろうという疑問が出てきてしまいます。

私は歴史家ではないので、更に突き詰めて調べるようなことはしませんが、相続の歴史に興味がある方は、じっくりと読んで頂けば良いと思います。

ここでは、日本にも旧民法が制定されるまでは遺言という制度が存在していたということと、江戸時代の遺言制度は、今のエンディングノートに近いものだったということを豆知識として覚えておいて下さい。

増田哲士(会社の生き残り対策&争いのない相続対策のプロ)

増田哲士税理士事務所

  • 電話:0537-35-2772 (お電話の際、「マイベストプロを見た」とお伝えください!)
  • 営業時間:平日 9:00〜17:00
  • 定休日:土曜、日曜、祝日、夏季休暇、年末年始休暇 定休日であっても、事前に連絡いただければ対応致しますので、一週間前までにお電話もしくはメールにてご連絡ください。

このプロに問い合わせたい

最近投稿されたコラムを読む
セミナー・イベント
相続の広場

第二次大戦後に日本国憲法が改正されたのに伴い、民法が改正される以前には遺言という制度が法律上はありませんでしたが、前回説明したとおり日本に遺言という慣習が無...

 
このプロの紹介記事
増田哲士税理士事務所・増田哲士さん

経営に関する「お金の予防法」で企業存続を支える(1/3)

 先代の創業以来40年近く、静岡県菊川市を中心に中東遠地域の税務業務を手掛ける増田哲士税理士事務所。その代表を務める増田哲士さんは、税理士の使命として「企業経営の支援に必要なのは、節税対策よりも事業を永続的なものにするための対策です」とおっ...

増田哲士プロに相談してみよう!

静岡新聞社 マイベストプロ

次世代に思いを繋げる為の税金に捉われない多角的提案

会社名 : 増田哲士税理士事務所
住所 : 静岡県菊川市堀之内453-3 [地図]
TEL : 0537-35-2772

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0537-35-2772

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

増田哲士(ますだてつし)

増田哲士税理士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
養子縁組に関する相続税節税対策の注意点

当事務所に寄せられた相続に関する相談の一つをご紹介いたします。その相談は、「養子縁組を考えているのです...

[ 相続 対策 ]

生前贈与(暦年贈与の仕組み)
イメージ

贈与税とは、暦年課税方式或いは相続時精算課税方式により、1月1日から12月31日までの1年間に財産を受け取った人...

[ 相続 贈与 ]

アパート経営による節税対策の注意点

ご自宅以外に土地を所有している方で、「アパート経営すれば相続税対策になりますよ!」という決まり文句で、ディ...

[ 相続 対策 ]

土地の評価はどうするの?

税務署から届いた「相続税の申告等についてのご案内」という文書が入った封筒の中の、「相続税の申告のためのチェ...

[ 相続 土地 ]

税務署から相続税の申告についての案内文書が届いた!?

「父親が亡くなって五か月ほど経った頃に、税務署から「相続税の申告等についてのご案内」という文書が入った封筒...

[ 相続税 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ