コラム

 公開日: 2014-11-28  最終更新日: 2014-12-03

相続時精算課税制度の具体的な活用方法

いつもコラムをご覧いただきありがとうございます。
『家族の絆を守る相続・遺言のプロ』の永井宏樹です。

先週は、風邪を引いてしまい、コラムをお休みしてしまいました。
気を取り直して、今週から再開していきたいと思います。

前回のコラムでは、相続時精算課税制度のメリット・デメリットについて書きましたが、
今回は、具体的な活用方法を書いてみたいと思います。

相続時精算課税制度の概要・適用対象者等は こちら から

事例1 価値を生み出すもの(賃貸物件など)を贈与する

築年数がある程度経っているアパート等であれば、贈与の評価額(固定資産税評価額)は、低い金額になっていることが多いです。
このアパートを贈与することで、もらった人は家賃を受取る権利も得ることになります。

評価額2,000万円のアパートを貰って、毎年200万円の家賃を受取ることができれば
相続までの期間にもよりますが、10年で2,000万円近い現金を得ることができます。
納税資金・代償金など準備しておくには、最適ではないでしょうか。

また、住宅ローンがある方は、相続時精算課税制度で贈与してもらったお金で繰り上げ返済をしてしまえば、金利の支払い分を得することもできます。

やり方によって、贈与した以上の効果を得ることができます。

事例2 家業の株式を贈与する

最近の相続でよく問題となることが、事業継承の問題です。(特に家業)

小規模でやっている家業でも、株式は立派な相続財産になります。
株式を事業を継いでくれる人にしっかりと継承できないと、事業が滞ってしまうおそれさえあります。
しっかりと自社株を評価し、生前に贈与しておくのも良いかもしれません。

また、相続時精算課税制度で贈与した評価額は、贈与した時の評価額を使用することができるので、事業を継承した人が『がんばり』株の評価額を高めても、相続税が高くなることがありません。

事例3 どうしても渡したい財産を贈与しておく

居住している家・家業を営んでいる店舗など
『どうしても渡したい財産』は、多くの方にあるのではないでしょうか。
また『これだけは貰っておきたい』という相続する側の考えもあるかもしれません。

2世帯住宅の場合などで土地の相続でもめないためにも、土地を相続時精算課税制度を使って
贈与しておくことで相続争いを避けることができるかもしれません。

遺言を作るような効力を、相続時精算課税制度を使ってできる場合があります。
家族会議を開いた後、相続時精算課税制度を使って生前分割しておくことも可能です。

事例4 相続時精算課税制度での贈与・遺留分の放棄・遺言をセットで実施する

せっかく遺言を作成しても、問題として残るのが遺留分の問題です。
相続放棄は生前にすることできませんが、遺留分の放棄は生前にすることができます。

『公正証書遺言+相続時精算課税制度で贈与+遺留分の放棄』をすることで

万全な相続対策を実施することができます。


プロからの一言

前回のコラムで、相続時精算課税制度のデメリットとして「基本的に相続税対策にならない」と書きました。
確かに相続時精算課税制度を選択すると、通常の暦年贈与は使えなくなってしまいます。
しかし、配偶者や孫に対しては、暦年贈与を使うことができます。

・どうしても譲りたい財産は、相続時精算課税制度を使って相続人(子)に
・相続税対策としては、相続人ではない配偶者・孫に暦年贈与する。

こんな方法も良いのではないでしょうか。


相続時精算課税制度には、デメリットもあります。
専門家に資産内容・目的等をしっかりと確認してもらい、実施することをおすすめします。


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