コラム

 公開日: 2016-07-20 

非常勤役員の日当の損金算入の可否

【事例】
 株式会社Aは、創立以来、監査役の任にあった者が亡くなったことに伴い、外部からB氏を招請し、非常勤の監査役に就任させることになりました。
 B氏に対する監査役の報酬については、B氏の意向もあって、月額給与及び賞与の支給に代えて、監査並びに取締役会及び株主総会等への出席のために出勤した日数に応じ、1日当たりの日当を5万円として計算し、1か月分をまとめて翌月20日に支給することとしました。
 ところが、B監査役の出勤の日数が毎月異なるため、各月の報酬の支払額は一定ではなく、多い月で20万円を超える場合もあれば全く支払額がない月もあります。
 このようなB氏への監査役の報酬を損金算入することはできるでしょうか。

【回答】
 非常勤役員に対し、出勤に要する運賃、宿泊料等の支出に充てるものとして支給される日当等で、その出勤のために直接必要であると認められる部分については、給与課税されませんが、この「出勤のために直接必要であると認められる部分」を超える金額については、役員給与として取り扱われます。
 そして、法人税法上、損金の額に算入できる役員給与は、〔1〕定期同額給与(毎月同額)、〔2〕事前確定届出給与(事前に確定額を届出)又は〔3〕利益連動給与(利益連動)のいずれかに該当するものに限られており、非常勤役員に対する給与についても例外的規定等はありませんから、お尋ねのケースのように非常勤監査役に対する日当(実費弁償的に支払われる旅費等を除きます。)も、これらの役員給与のいずれかに該当しない限り、損金の額に算入することはできないことになります。
 そこで、定期同額給与への該当性についてみると、この点については、平成27年4月27日付の裁決において、類似の案件について定期同額給与には該当しない(日当が同額でも毎月同額とはみなせない、あくまで、毎月の実績で判断する)との判断がなされています。
 したがいまして、非常勤役員に対する日当で、各月の支給額が異なるものについて、定期同額給与に該当するとされることは想定し難いものと思われます。
 また、B監査役に対する給与は、出勤した日数分に応じた日当の額に基づいて算定されるというものであり、「所定の時期に確定額を支給する旨の定め」に基づいて支給される給与に該当しませんから、事前確定届出給与にも該当しないものと考えられます。
 以上のとおり、お尋ねのB氏に対する給与は、定期同額給与及び事前確定届出給与のいずれにも該当しませんし、もとより利益連動給与にも該当しませんから、損金の額に算入されないものと考えられます。
ちなみに、B監査役に対する日当相当額を損金算入するためには、事業年度中の日当支払総額をあらかじめ見積もった上で、これを定額の月額給与に均して定期同額給与として支給する方法、あるいは、あらかじめ期首の取締役会等で「所定の時期に確定額を支給する旨の定め」を決議した上で、事業年度中の日当相当額を事前確定届出給与として一括支給する方法等をご検討いただくべきところと考えられます。

この記事を書いたプロ

内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所 [ホームページ]

公認会計士 内山瑛

静岡県浜松市中区板屋町521 [地図]
TEL:053-525-9123

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
アクトタワー近く内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所 所長 内山 瑛氏

5年先まで見据えての資金繰り〜事業計画で起業支援(1/3)

 「自分のお店を持ちたい」「事業で成功したい」と独立開業を夢見ている人は潜在的に多いといわれる一方で、「開業の方法が分からない」という方もまた多いようです。内山瑛さんはそんな方達を応援したいと起業支援に取り組んでいらっしゃいます。 内山さ...

内山瑛プロに相談してみよう!

静岡新聞社 マイベストプロ

会社名 : 内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所
住所 : 静岡県浜松市中区板屋町521 [地図]
TEL : 053-525-9123

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

053-525-9123

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

内山瑛(うちやまあきら)

内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
個人事業主の事業継承における、節税対策と相続争い対策 ~親子間継承と第三者継承の違い~

私の作成した記事が、経営ハッカーというサイトに掲載されました。以下、内容を転載します。よろしければ、ご覧に...

[ 税金 ]

役員だけの人間ドックは認められない

今回は、税務調査でよくある指摘事項として、「人間ドック」をとりあげてみようと思います。人間ドックは、健康保...

[ 税金 ]

居酒屋バイト「給料手渡し、源泉徴収なし」、 それでも税金払わなくちゃダメ?

私の作成した記事が、税理士ドットコムというサイトに掲載されました。以下、内容を転載します。よろしければ、ご...

[ 税金 ]

民泊用家屋が「住宅」から外れると、 固定資産税が数倍に

外国人旅行者等を自宅等に宿泊させ宿泊料を得る「民泊」が、オリンピックの開催に向け、盛り上がりをみせています...

[ 税金 ]

修繕工事、一部完了した場合の経費計上は?

工場や事務所の修繕工事などで、決算日をまたぐ場合があります。そのような場合に、経費にできる時期について迷う...

[ 税金 ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ