コラム

 公開日: 2018-02-10 

親族間の金銭貸借に係る税務上の留意点(2/2)

マイホーム購入時など一時に多額の資金が必要な場合に、親と子など特殊な関係がある者相互間(以下、家族間)で資金援助が行われることも多くあります。資金援助は貸借または贈与により行われますが、親族間では両者の区別があいまいな場合もあります。今回は、親族間の金銭貸借に係る税務上の留意点について概観します。



親族間の金銭貸借に係る税務上の留意点

 国税庁においては、限られた人員などの中で適正かつ公平な課税を確保するため、実施調査以外にも納税者の自発的な納税義務の履行支援などを目的とした取り組みを、様々な機会を捉えて、多様な手法により実施しています。例えば、税務署が登記情報などから収集した不動産の取得者に対して、購入金額、支払金額の調達方法(借り入れ、贈与、預金、資産売却など)および共有者などの内容を尋ねる書面(いわゆる「お尋ね」)による紹介を行う事はよく知られています。これは、主として、その取得に伴う課税対象となる事実を把握することにより、申告が必要と認められた場合には、納税者の自発的な申告を促す行政指導の一環であると考えられます。このような書面による紹介に対して、例えば、支払金額の調達方法について、親族からの借入金がある旨を回答した場合、その借入金について、贈与税の課税対象となるかどうかその詳細を確認する必要があることから、税務署への来署依頼などにより、さらなる内容の説明を求められる場合もあります。

 金銭貸借であることから、当事者間では贈与税の課税対象になるという認識がないにもかかわらず、税務上は贈与として取り扱われること(予期せぬ贈与課税)は、正しい知識をもつことで予防することが出来ます。

 親族間で金銭貸借を行う場合、金銭消費貸借契約書など書類を作成することは比較的認知されています。しかしながら、税務(贈与税)の観点からは、書類の有無よりも借入金の返済条件や事後の借入金の返済状況が重要です。例えば、借入金の返済条件について、その金銭を借り受けたものの収入状況から、明らかに返済できないような返済条件とした場合には、事実上、返済されることが予定されていないものと考えられ、形式上は貸借であっても、実態は贈与ではないかとの疑義が生じます。

 さらに、借入金の返済状況について、契約に基づいて返済が行われていない、途中から返済が滞っている、または返済状況が確認できない(現金手渡しで返済しているなど)という場合もあります。このような場合にも、形式上は貸借であっても、実態は贈与(または返済期間中の債務免除による贈与)ではないかとの疑義が生じます。

この記事を書いたプロ

内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所 [ホームページ]

公認会計士 内山瑛

静岡県浜松市中区板屋町521 [地図]
TEL:053-525-9123

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
アクトタワー近く内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所 所長 内山 瑛氏

5年先まで見据えての資金繰り〜事業計画で起業支援(1/3)

 「自分のお店を持ちたい」「事業で成功したい」と独立開業を夢見ている人は潜在的に多いといわれる一方で、「開業の方法が分からない」という方もまた多いようです。内山瑛さんはそんな方達を応援したいと起業支援に取り組んでいらっしゃいます。 内山さ...

内山瑛プロに相談してみよう!

静岡新聞社 マイベストプロ

会社名 : 内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所
住所 : 静岡県浜松市中区板屋町521 [地図]
TEL : 053-525-9123

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

053-525-9123

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

内山瑛(うちやまあきら)

内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
設立1期目の決算期変更について

【質問】今年1月に設立して5か月経過した株式会社です。1期目の事業年度は定款上1月から7月までです。とこ...

[ 税金 ]

未払残業代に係る法人税及び所得税の取り扱い

 社会的に問題となっている違法な長時間労働の解消に向けた取り組みとして、現在、労働基準監督署は長時間労働が...

[ 税金 ]

マイナンバー相続関係手続に必要な戸籍事務へ利用範囲を拡大へ

 法務省はこのほど、税と社会保障、災害対策の各分野で個人番号を利用できるマイナンバー制度の利用範囲に「戸籍...

電子メールによる領収書と印紙税

【質問】仕入先A社から、「今後、領収書は紙での発行を止め、電子メールで送付するので印紙の貼付を取り止めま...

[ 税金 ]

法定相続情報証明制度が始まりました!

 平成29年5月29日から「不動産登記規則の一部を改正する省令」が施行され、それに伴い不動産登記事務等の取扱いに...

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ