コラム

 公開日: 2016-09-13 

不動産の相続はトラブルになり易い!?回避する対策

遺産を相続するときには、さまざまな揉め事を巻き起こしてしまうことがあります。
特に不動産相続は、その金額の大小に関わらずトラブルの火種を抱えていると言えます。
その要因を知り、トラブル回避のための備えを施しておきましょう。

どんな家庭でも起こる可能性がある、相続時のトラブル

とかく「遺産相続」という文字を見ると、親族間のトラブルや揉め事といった事象を想像しがちです。そのようなテーマのドラマなどが多数作られているせいもありますが、現実の世界においても相続には大小のトラブルがつきまとうものです。

平成24年度司法統計(最高裁判所)によれば、家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割審判(家事調停・審判)の件数は、この10年で約1.4倍、相談の件数だけ見れば2倍近い数値に増加しています。

また同データにおいて、どれくらいの金額で遺産争いが起きているかを見てみると、5000万円以下の割合が7割を占め、特に1000万円以下の少額の争いが全体の3割以上を占める結果となっています。

「ウチは相続額が少ないから、トラブルとは無縁だ」と考えるのは早計です。

上述のデータからも、むしろそれほど金額が大きくないトラブルの方が多く発生していることが見て取れるのです。どんな家庭であっても、遺産にまつわるトラブルは起こりえるものだと認識しておいた方が良いでしょう。

分配できない不動産が、相続トラブルの元凶となる

すべての相続財産の内訳を見てみると、金額の構成比においてその約半数以上を土地・建物といった不動産が占めています(国税庁調べ)。

実は相続に関するトラブルにおいて、面倒な問題になりがちなのがこの不動産に関するものなのです。

民法に定められた法定相続人には、その続柄に応じた配分の相続を受ける権利が発生します。被相続人(財産を遺して亡くなった方)に子どもがいる場合、その配偶者が1/2、残りの1/2を子どもで分配するというのが基本的な割合となります。

遺産が現金などであれば、上記の割合を元に配分することも容易くなります。しかし不動産の場合は、単純な分割はできません。特に、相続すべき遺産が被相続人名義の自宅のみであるような場合には、分割に際してトラブルが発生しがちです。

不動産相続における、トラブル回避の最初の分岐点となるのが「その不動産をどのように扱うか」という点です。そのまま居住・所有し続けるのか、もしくは売却して換金するのか、といった相続人各自の考え方の食い違いを整理するところからはじめます。

誰もが損をしないような、不動産の分割方法

自宅を残すという結論に至った場合の最もシンプルな分割方法が、「現物分割」というものです。不動産を相続人のうちの一人が単独取得する、もしくは土地そのものを分割して相続するといった方法です。単独取得の場合、残りの相続人は現金などの遺産を分割して相続するなどが考えられます。

次に挙げられるのが、「代償分割」と呼ばれる方法です。これは一人の相続人が残りの相続人に不動産価格相応の代償金を支払った上で、不動産を単独取得する方法です。この場合、適正な価値算定を行うことが必須となるので、専門家のアドバイスを受けることを要します。
また、代償金としてまとまった現金を用意できることも不可欠です。

もう一つ考えうる方法が、「共有分割」というものです。複数の相続人により不動産を共有(管理)するという方法で、それぞれの相続の割合に応じた持分の権利を持ちこととなります。この方法においては、後に売却、建物の建替え・取壊し、土地の利用形態・形質の変更などを行う場合に、全員の同意を得ることが不可欠になります。

同意を取りつける段階において、新たなトラブルの火種ともなりかねないので、分割の前後には綿密な話し合いによる意思統一が必要です。

より分割しやすくするためには、売却によって現金化する方法が考えられます。換価分割と呼ばれるもので、不動産が不要となる場合などには特に有用な方法です。

相続トラブルを無くすために、存命中に親族間で確認しておくこと

ここまで紹介してきた、不動産を分割するためのいずれの方法を採用するにしても、各相続人においては損得勘定が働くことでしょう。

また、被相続人との関係性(同居の有無、どれほどの頻度で接触していたか、介護を誰が行っていたかなど)によって、どれほどの割合で相続すべきか、それぞれに言い分があるものです。こうした各個人の思いが、トラブルを引き起こす要因となることもあります。

不動産相続時のトラブル回避に向けては、まず遺言書の有無の確認と、相続人全員でコミュニケーションを取り合い、お互いの心情や立場を良く理解しておくことが何よりも重要になります。

加えて、不動産を含んだ相続においては(不動産の価値が算定しづらいこともあり)相続額の全容を掴みづらいといった点も看過できないポイントです。

こうした事態を防ぐためには、被相続人の存命中にすべての資産を洗い出し、あらかじめ財産目録(不動産だけでなく、現金・預貯金、ローンや借金、生命保険など)を策定しておくのが近道となるのです。

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