コラム

 公開日: 2016-09-15 

不動産の相続登記の必要書類、手順と費用

土地や建物といった不動産は、「登記」によってその所在や所有者が記録されていきます。
相続を行う際には、「相続を行った」ことをその記録に残しておく必要があるのです。
ここでは、相続登記にまつわる基礎的知識を紹介していきます。

誰が持っている、どのような不動産なのかを示す「登記」

土地や家といった不動産は、「登記」によって管轄の法務局の登記簿と呼ばれるものに記録されていきます。

不動産の実際の物理的現況を明確にするものを「表示に関する登記」、
その所有者が誰であるかに関するものを「権利に関する登記」と呼びます。

「表示に関する登記」とは、土地の所在(地番・地目・地積など)、建物の種類・構造・床面積など、どこの土地にどのような物件が建って使用されているのかを示すものです。
相続時に関わらず、例えば農耕地を宅地に変更する、戸建て住宅をマンションに改築する、賃貸物件を分譲物件に変える、といった場合に登記を変更することになります。

「権利に関する登記」とは、不動産に関する権利の保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅を示すものです。
つまり、不動産の所有者は誰であるかという「名義」と、どのような経緯(売買・相続・贈与など)で入手したかを記載しています。
不動産を相続するにあたっては、相続を以て不動産を取得し、名義を相続人に変更する旨を登記しておかなければならないのです。
不動産の名義が被相続人のままであると、売却や保険の加入などもできません。

トラブルを生じさせないための、相続登記の流れ

不動産を相続して登記(相続登記)するには、大まかな流れが決まっています。
まず、当該不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、そもそもの所有者などを確認するところから始まります。

次に決めなければならないのが、相続人のうち、誰の名義にするかということです。亡くなった被相続人の配偶者および子どもなど、複数の法定相続人が存在する場合など、所有者が誰であるかの権利を確定して名義変更しておかなければなりません。

相続人一人による単独取得であっても、将来的に相続人が亡くなり、再度の相続が発生したときなどに、大きなトラブルの種となってしまいます。

相続人の確定と並行して、遺産分割協議を行います。これは、複数の相続人においてどのように遺産を分割するのかを決めることであり、法的に定められた割合および遺言書の指定に従って全ての財産(不動産以外も含む)を分割することになります。

不動産の相続においては、単独の土地・建物を単純に分割することは難しいため、例えば「自宅の土地・建物は長男が引き継ぎ、それ以外の相続人は相応の代償金を相続する」などのような方法を採用します。

協議によって決まった内容は書面にし、相続人全員で協議したことを記載しなければなりません。

各市区町村や法務局で取得できる、相続登記に必要な書類とは

相続に関する内容を確定させた後、その内容に沿って不動産の名義変更を行うための書類を準備します。まず、法務省のホームページなどで入手できる様式に則った登記申請書を作成します。

この他に必要となる書類としては、

(1)亡くなった人(被相続人)に関するもの
(2)相続人に関するもの
(3)不動産そのものに関するもの

上記が挙げられます。

(1)にあたるのは、被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)と、住民票の除票です。除票には本籍地の記載が必要であり、不動産の登記簿上の住所と死亡時の住所が異なる場合は、それを証明する附票も必要となります。

(2)については、相続人全員分の戸籍謄・抄本と住民票の写し、印鑑証明書が必要となります。

(1)と(2)に関しては、それぞれが居住する市区町村役場で揃えることができるものです。

(3)としては、固定資産評価証明書と登記事項証明書が必要です。前者は市区町村役場で取得でき、後者は法務局の登記所や法務局証明サービスセンター、およびインターネット上で請求することができます。

これらの書類を整えた上で、法務局に提出(郵送でも可)すれば、相続登記としての名義の書き換えが終了します。

個人で相続登記を行うのであれば、費用は書類代+税金だけ

ここまで紹介した相続登記に必要な書類を取得するためには、それぞれに手数料が必要となります。状況に応じて枚数・件数が異なりますが、1枚の書類につき数百円レベルであることを考えれば、すべて揃えるのに数千円〜1万円程度は必要であると認識しておきましょう。

このほか、相続登記にかかる費用には、登録免許税と呼ばれるものがあります。


これは、各種の登記の際に法務局へ支払う税金の総称です。

不動産登記に課せられる税率は、不動産の固定資産評価額合計×0.4%となります(例:評価額1000万円の物件であれば、4万円)。

なお、これらの不動産登記は個人で行うことも可能であり、その場合にかかる費用は登録免許税を含めた実費のみです。

弁護士や司法書士に登記の代行を依頼する場合、費用は相続人の数、書類の通数などによって異なるので、あらかじめ相続の状況を確認しておき、事前に問い合わせておくことが肝要です。

この記事を書いたプロ

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行政書士 坪内伸太郎

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TEL:054-260-4593

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