コラム

 公開日: 2016-10-06 

相続した空き家売却は税金が安く!?譲渡所得の特別控除について

現在、大きな問題になっている空き家の発生には、相続に起因するものが多いと考えられています。
相続した住居を売却しやすくなる特別控除は、空き家問題解消の一助となることが期待されているのです。

周辺の生活環境に悪影響を及ぼす、空き家の増加

「不動産を相続する」という言葉を聞くと、単純に喜ばしいことのようにも感じますが、必ずしもそうとは限りません。

近年、社会的・環境的に大きな問題となっているのが、空き家の増加に関する話題です。

総務省統計局による平成25年のデータによると、我が国の総住宅数は6063万戸であり、そのうちの13.5%にあたる820万戸が空き家になっているとされます。

この数値は、平成20年に比べて8.3%(63万戸)も上昇しているのです。また、空き家のうちの約80%が一戸建て住宅であるとされており、大都市・地方都市の分け隔てなく増加している傾向にあります。

こうした傾向が問題視されるのは、治安などの面で空き家が周辺の生活環境に悪影響を及ぼす可能性が大きいためです。

平成27年度の税制改正においては、適切な管理がされていない空き家(特定空家等)に対して、生活環境の保全を図るために必要な措置をとっていない場合に、住宅用地特例(固定資産税と都市計画税の軽減措置)の対象から外されるという決定もなされました。

「二次相続」によって住居が放置されてしまうという流れ

空き家が増加している要因の一つが、冒頭に示した相続にまつわる事象に起因しているとされているのです。

相続によって空き家が発生するという流れに関して、その端的な例を挙げてみましょう。

被相続人が高齢の男性(父)、法定相続人にあたるのが配偶者(母)と二人の子どもという関係にあり、既に子どもは両方とも結婚して独立していたとします。被相続人名義の自宅は父母二人だけで住んでいることになり、相続後には配偶者のみが残る状態になります。

母が父の不動産を相続するまでは問題がなかったとしても、次に高齢である母が亡くなった際、実際の相続権は法定相続人全員にあるため、子ども二人に引き継がれていくことになります。この状態を「二次相続」と呼びます。

二人の子どもはすでに独立して自分の家庭を持ち、実家とは離れた場所に住んでいます。そうなると、実家は誰にも使用されないという状態に陥り、そのまま放置され、空き家化してしまうのです。

これが空き家の増加していく流れであり、このような状態は、決して特殊なケースではありません。二次相続という場面においては、どこの家庭にも起こりうるシチュエーションです。

空き家を売却しやすくするための「3,000万円の特別控除」

このように二次相続などで空き家になった不動産は、所有し続けるにしても、処分するにしても、相続人にとってはマイナスの要素が大きいものです。名義上で所有し続ける場合、住んでいないにも関わらず維持費(固定資産税など)がかかり、大きな負担になってしまいます。

また、建物を処分して土地だけを所有する場合にも、マイナス面があります。建物が建っている土地に関しては、固定資産税と都市計画税軽減措置の対象となるのですが、更地にするとその対象から外れてしまうのです。

空き家となった不動産を売却する場合はどうでしょうか。古い建物は買い手が付きにくい上、仮に上手く売却できたとしても、その譲渡所得(売却益)は所得税と住民税の課税対象となります。このような実情を背景として、空き家問題は全国的に深刻化しているのです。

相続を発端とした空き家問題を解消し、相続した物件を「より売却しやすい状態へ」と促す制度が、平成28年度の税制改正に盛り込まれるようになりました。

「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例制度」と呼ばれるもので、一定の条件の下にある住居(この場合、相続した自宅不動産)を売却する際には、3,000万円の特別控除を受けられることになったのです。

売却時に特別控除が適用されるための要件とは

この特別控除制度の適用条件は、その住居が昭和56年5月31日以前に建築された家屋(マンションなどの区分所有建物を除く)であり、相続の開始(被相続人の死亡)の直前において被相続人が一人で居住していた(つまり、相続の開始によって空き家になった)ことが前提となります。

さらに売却時において、相続から売却の間に事業・貸付・居住用に供されていないこと、売却額が1億円を超えないことを条件とし、家屋を除却(解体)して土地(更地)を売却する、もしくは(必要なリフォームなどを施した上で)耐震基準を満たした家屋(およびその敷地)を売却することが必要となります。

ここまでの条件をすべて満たした家屋を平成28年4月1日から平成31年12月31日の間、および相続時から3年を経過する日を含む年の12月31日までに売却する際に、特別控除が適用されることとなります。

不動産所在地の市区町村長から上記の条件を満たしているという証明書の発行を受け、証明書を含む所定の書類を確定申告書に添付すれば、確定申告に控除を行うことができるのです。

この記事を書いたプロ

よつば綜合事務所 [ホームページ]

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