コラム

 公開日: 2016-10-16 

空き家が増え続ける原因と空き家の問題点

現在、全住宅数のうち、実に13.5%が空き家になっていると言われています。
何故この数字が増加し、そしてどのような問題点をはらむのでしょうか。

数字で見る、空き家が増加している実情とは

近年、「空き家が増加している」という報道が多くなされています。これがどれほど深刻なものなのか、まずはその現状を確認してみましょう。

平成25年度の数字では、我が国には約6063万戸の住宅が存在しています。

このうち、「常時住んでいないが使っている(=別荘や別宅などに類するもの)」「借り手がいない賃貸用住宅」「買い手の付かない売却用住宅」「その他の理由で常時使われていない」という、いわゆる「空き家」の状態にある住宅は約820万戸であるとされています。

全住宅数に占める割合は13.5%にも上り、前回調査(約757万戸=平成20年の数値)に比べて、空き家の数が8.3%も増えています(ここまでの数字はいずれも、総務省統計局公表の住宅・土地統計調査によるもの)。

上記の空き家の分類の中で、前三者(別荘・賃貸用・売却用)に関しては、今後の利用価値があると推定される住宅ですから、それほど大きな問題をはらんでいるとは言えません。

問題となるのは、「その他」に属する空き家です。この分類に属する空き家は、所有者の死亡や介護施設への入所などによる、いわゆる「住む人がいなくなった住宅」が大多数を占めます。

所有者の事情や社会的要因によって、空き家が発生してしまう

「住む人がいなくなった住宅」は本来、相続人(配偶者・子どもなど)によって居住・管理・売却・解体などの方策がとられるべきものです。

ところが少子高齢化にある現状では、相続人が不在もしくは不明で、正しく引き継がれないというケースがあります。逆に相続人が複数いる場合にも、相続人全員の合意が得られずに、住宅が放置されていることもあります。このように相続を契機とするのが、空き家発生要因の一つです。

上記以外の理由としては、税金に関わるものがあります。不動産を所有していると、居住の有無に関わらず、固定資産税の支払い義務が発生します。

この課税率において、建物が建っている土地への課税率は、建物のない更地の土地の1/6の金額になります。

つまり土地を所有し続ける場合、建物を解体するよりも、そのままにしておいた方が税金を安く押さえることができるのです。

「住む人がいなくなった」まま、建物を放置して所有するという節税対策が、空き家を発生させる一因ともなっているのです。

これらの所有者側の事情以外にも、新築住宅の供給過剰、中古住宅の価値下落、世帯数の減少などが、空き家増加の要因として考えられるのです。

周辺環境に及ぼす悪影響が、空き家増加で発生する問題点

さまざまな事情によって増え続けている空き家ですが、単純に数が増えているだけでは深刻な社会問題とは言い切れない面があります。

しかし、結果的に発生してしまった空き家は、その存在だけで近隣住民などに多大な悪影響を及ぼす可能性が指摘されており、そうした観点から「早急な対策が求められる」社会問題と受け止められているのです。


では具体的に、空き家による悪影響とはどのようなものなのでしょうか。

NPO法人である空家・空地管理センターの報告によれば、管理されていない空き家が引き起こす問題点は、大きく4つに分類されます。

第一に「放火による火事・火災」が挙げられます。我が国の火災原因のトップは、放火(疑いも含む)です。空き家には人目が届きにくく、放火のターゲットとなりやすいのです。

また後述の問題点とも連動しますが、人が侵入しやすい状況である上、燃え広がりやすい要素(木造住宅が多いことや、ゴミ・枯れ木・枯れ草などの放置)があり、被害が甚大なものになってしまう可能性も高いのです。

複数の問題点が複合的に起こりやすくなる、空き家という状態

次に挙げられるのが、建物自体の老朽化に伴う倒壊や構造物の飛散などです。

住宅(特に木造住宅)は、人が住まなくなると急速に劣化が進みます。このため、空き家は台風や地震などの災害、日常的な現象(雨・風・雪などの自然現象、道路の振動)によって、常に倒壊の危機にさらされている状態と言えるのです。

倒壊にまで至らなくとも、ガラス・外壁・屋根材などの構造物の剥離や破損が、近隣に被害を及ぼす可能性もあります。

前述の項目でも触れましたが、不審者の侵入が三番目の問題点として挙げられます。

放火の危険性があるほか、不法侵入者などが入り込み犯罪の温床となったり、そのまま住み着かれてしまう可能性もあります。また、人間だけではなく、害獣・害虫が侵入してしまい、衛生的な危険性をもたらすことも考えられます。

管理されていない空き家は、伸び放題の雑草や不法投棄されたゴミ、あるいは落書きなどによって景観の悪化を招きやすく、これが四番目の問題点として挙げられます。景観の悪化は、単純に見た目が良くないばかりではなく、治安悪化の大きな要因ともなります。

上記に挙げたような問題点が複合的に発生し、空き家は周辺の環境に大きく影響を及ぼすのです。

この記事を書いたプロ

よつば綜合事務所 [ホームページ]

行政書士 坪内伸太郎

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TEL:054-260-4593

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